前回は、ZEBナレッジの土台となる「ZEBデータベース」の元データと集計軸をご紹介しました。今回は、そのデータを条件で絞り込みながらグラフやヒートマップで確認できる「ZEBデータインタラクティブ分析」を取り上げます。
任意の条件でデータを絞り込める
このツールは、2014年度以降のZEB認証データをもとに、年度(開始・終了)、ZEB区分(『ZEB』・Nearly ZEB・ZEB Ready・ZEB Oriented)、新築/既存の別、建物用途、都道府県という条件を自由に組み合わせて集計できるダッシュボードです。ZEBデータベースが決まった集計軸でのグラフ表示だったのに対し、こちらは自分の建物や地域に合わせて条件を絞り込み、その場でグラフを描き直せる点が特徴です。
多彩なグラフで見えること
年度別のZEB件数・延床面積の推移(単年度・累計)、建物用途別・新築既存別の統計に加え、新規着工棟数に対するZEBの割合や既存ストック棟数に対する割合といった市場占有率も確認できます。特に活用しやすいのが、都道府県別の4指標を日本地図上に色分け表示するヒートマップで、どの地域でZEB化が進んでいるかを一目で把握できます。画面上部のKPIカードには、絞り込んだ条件での対象件数、延床面積合計、平均BEI(エネルギー消費性能を示す指標)、新築比率が自動で表示され、細かくグラフを読み込まなくても概況をつかめます。
活用の仕方と注意点
建物オーナーへの説明では、自分の建物と同じ用途・地域の条件に絞り込み、周辺のZEB化の進み具合や同業態での普及率を視覚的に示すことで、投資判断の参考材料として提示しやすくなります。自治体担当者であれば、管内の状況を都道府県ヒートマップで確認し、他地域との比較資料に使うことができます。
ただし、「新規着工に占めるZEB割合」は「参考値」という位置づけである点には注意が必要です。このグラフは、分母の新規着工棟数を建物の着工時期で、分子のZEB件数をZEB認証の取得時期で集計しているため、両者の計上年度にずれが生じます。年度ごとの割合は厳密な統計というより、傾向をつかむための目安として読むのが適切です。
次回は、ZEBを実現した建物の外皮性能や省エネ性能の水準を事例から確認できる「ZEB技術の分析」をご紹介します。
想定読者:建物オーナー、自治体施設担当者、設計者
データのご利用について
本記事で紹介しているページのグラフ・数値は、出典を明記いただければ、商用・非商用を問わず、資料・報告書・ウェブサイト等に自由にご利用いただけます。出典の表記例:「出典:ZEB株式会社『ZEBナレッジ』(元データ:住宅性能評価・表示協会 BELS事例データ、国土交通省 建築着工統計 ほか)」。データの一括での複製・再配布は対象外です。詳しい条件は利用ガイドライン第2条をご覧ください。
参照
- ZEBナレッジ ZEBデータインタラクティブ分析:https://www.zeb.co.jp/knowledge/zeb-analysis/(2026年10月時点でウェブサイトを確認)