学校体育館の空調について公開している技術コラムを、全面的に改訂しました。あわせて、検討の詳細をまとめた技術レポート2本と、解析結果をそのまま動かせる3Dビューアを公開しています。いずれも登録不要でご覧いただけます。
改訂の中心は、温度を確かめる高さです。体育館として使うとき、人は立っています。避難所として使うとき、人は床の上に横になっています。従来の設計で確認しているのは立っている人の高さ(床上1m)ですが、避難所として見るなら、確かめるべきは寝床の高さ(床上0.30m)です。今回の検討では、この高さの温度を全空間の気流解析(CFD)で17ケース解きました。
結果として、現状の体育館では寝床の高さが14℃台にとどまり、屋根と窓の断熱を強めても15℃台までしか上がりませんでした。高断熱に全熱交換換気を加えてようやく18℃前後に届きます。同じ計算の床上1mを見ると17.5〜18.6℃で「室温は確保できている」と読めるため、どの高さで確かめるかによって、答えそのものが変わります。また、床ぎわの温度を決めていたのは投入した熱量ではなく床の表面温度で、機器を全力運転させても届きませんでした。
改訂にあたり、公開している数値を解析の一次データと1件ずつ突き合わせて検算し、3Dビューアの形状も形状定義ファイルから作り直しました。前版の3Dビューアは、室内機の台数や換気設備の位置が実際の解析モデルと一致しておらず、判定の表示も現在の結果とは異なるものでした。前版をご覧になった方は、あらためて新版をご確認ください。
- 技術コラム:避難所になる体育館は、床の上が寒い
- 技術レポート 前編:体育館の空調は何で決まるのか ― 分析条件と必要能力
- 技術レポート 後編:避難所として使うとき、床の上は何度か
- 3Dビューア:体育館の床ぎわの温度(CFD 17ケース)
- 講演のご依頼:講演・研修(テーマ「学校体育館の空調 ― 必要能力と避難施設としての要求」として承ります)
本検討は実在の建物を参照していますが、建物名・所在地・機器型式は伏せ、モデル建物として一般化しています。判定に用いた18.0℃は避難所としての最低限として当社が定めた値であり、告示や基準で定められた値ではありません。地域や建物形状が変われば数値は変わりますので、値をそのまま流用することはできません。個別のご相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお受けしています。
