蛍光灯が2027年でなくなる、という話をお聞きになった方は多いと思います。ただ期限は一つではなく、種類ごとに段階的に訪れます。最初の期限は2026年12月31日、今年の年末です。

期限はランプの種類ごとに違う

2023年11月の「水銀に関する水俣条約」第5回締約国会議で、一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入を段階的に廃止することが決まりました。環境省・経済産業省の資料によると、廃止時期は次のとおりです。

  • コンパクト形蛍光ランプ:2026年12月31日
  • 直管・環形蛍光ランプ(ハロリン酸塩系=一般タイプ):2026年12月31日
  • 直管・環形蛍光ランプ(三波長系=高効率タイプ):2027年12月31日

一般照明用の高圧水銀ランプは、これに先立ち2021年からすでに製造・輸出入が禁止されています。体育館や工場、駐車場・外構に水銀灯が残る建物は、もう在庫を探す段階に入っています。

禁止されるのは製造と輸出入であって、いま使っている照明を消す必要はありません。在庫の売買や使用も禁じられていません。とはいえ在庫は先細りになり、切れてから慌てて探す運用は年々成立しにくくなります。

ランプだけ替えるか、器具ごと替えるか

既存の蛍光灯器具にLEDランプを差し込むだけの交換は、工事が軽く費用も抑えられます。ただし器具側の安定器(ランプを点灯させるための部品)や配線は残るため、器具自体の経年劣化は解消されません。業界団体やメーカーは設置後おおむね10年を目安とした器具の点検・更新を呼びかけており、20年近く使っている器具であれば、ランプだけの交換はその場しのぎになりがちです。

器具ごと更新する場合は、単なる「同じ明るさへの置き換え」で終わらせないことをおすすめします。LEDは配光が変わるため、同じ台数でなくても必要な明るさを確保できる部屋が少なくありません。人がいないときに消える在室検知、窓際だけ暗くする明るさ検知、時間帯で落とすスケジュール制御。こうした制御は省エネ計算(一次エネルギー消費量の評価)でも照明の性能として評価されます。将来ZEBやBELSの取得を考えている建物なら、照明更新はその評価に単独で効く数少ない工事です。

期限ではなく計画で動く

照明は空調や熱源に比べて工事が軽く、稼働を止めずに進めやすい設備です。期限に追われて全館一斉に駆け込むより、フロアや棟の単位で順に更新し、他の改修や予算年度に合わせて割り付けるほうが、費用も手間も抑えられます。

まずやっておきたいのは、建物内にどの種類のランプが何本残っているかの棚卸しです。品番が「F」で始まるものが蛍光ランプで、「3波長形」または「EX」の表示があれば2027年末まで、なければ今年末が期限のタイプです。この一覧があるだけで、来年度以降の予算要求も補助金の申請準備も進めやすくなります。


想定読者:建物オーナー、自治体の施設担当者、設計者・管理会社

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