「ZEBは実際どれくらい建っているのか」「自分の建物と同じ用途・規模の事例はあるのか」。ZEB検討の入口で必ず出てくるこの問いに、公的データで答えるのがZEBナレッジの「ZEBデータベース」です。シリーズ第2回の今回は、このデータベースで何が分かり、どう使えるのかをご紹介します。
どんなデータベースか
ZEBデータベースは、一般社団法人住宅性能評価・表示協会のBELS(建築物省エネ性能表示制度)事例データを軸に、建築着工統計調査報告などの公的データを組み合わせ、全国のZEB認証物件を多角的に集計したものです。設計時と施工時の二度BELSを取得する建物が増えているため、同一建物の重複は可能な限り除外しており、協会公表の件数とは一致しません。また年度集計にはBELS評価年月を用いるため、着工・竣工の年度とはずれがある点にご注意ください。
何が分かるか
集計は件数・延床面積の年度別推移から、規模別・用途別、都道府県別、公共建築物の割合まで幅広くカバーしています。たとえばZEB認証件数は年々増加しており、新築着工延床面積に占めるZEBの割合はすでに20%を超えています。件数では延床面積2,000㎡未満の中小規模が多い一方、合計面積では1万㎡以上の大型物件が約9割を占めること、用途別の件数は事務所等が最多であることなど、普及の構造も読み取れます。公共建築物が件数の40%前後を占めている点も特徴で、庁舎や学校のZEB化を検討する自治体には心強い実績です。
さらに、ZEB認証物件のBEI(基準一次エネルギー消費量に対する設計エネルギー消費量の比率。小さいほど省エネ)の平均値を、モデル建物法で申請された一般的な建物と地域別に比較したグラフもあり、設計者が目標値の目安をつかむ際に役立ちます。
活用のヒント
建物オーナーや自治体担当者には「ZEBはもう特別な建物ではない」ことを示す説明資料として、設計者には同用途・同規模の実績水準を確認するベンチマークとして使えます。グラフや数値は出典を明記すれば自由にご利用いただけます(詳細は当社サイトの利用ガイドラインをご確認ください)。年度の途中で統計値が更新されることがあるため、引用の際は「いつ時点の集計か」も併記すると確実です。
次回は、都道府県別ヒートマップで地域ごとの普及状況をつかめる「ZEBデータインタラクティブ分析」を取り上げます。
想定読者:建物オーナー、自治体のZEB・脱炭素ご担当者、設計者
参照元:ZEBナレッジ「ZEBデータベース」(https://www.zeb.co.jp/knowledge/database/)/社内資料「ZEBナレッジプレスリリース.txt」