建物のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を検討する際、「どれくらい省エネ効果が見込めるか」「他の建物と比べて妥当か」を数字で示せると、オーナーや自治体、設計者の意思決定は進めやすくなります。ZEB株式会社が公開する「ZEBナレッジ」は、全国のZEB認証物件のデータを集約し、誰でも無料で閲覧・分析できるウェブサービスです。今回はその全体像を整理します。

7つのナレッジリソースで構成

ZEBナレッジ(https://www.zeb.co.jp/knowledge/)は、コラムと基礎解説に、データベースや分析ツールを加えた7つのリソースで構成されています。

コラム:ZEBの最新動向、制度・補助金の解説、設計・運用の実務知見などを定期的にお届けしています。掲載本数は100本を超えています。

ZEBとは:ZEBの定義や4つのレベル区分(『ZEB』『Nearly ZEB』『ZEB Ready』『ZEB Oriented』)、認証制度を、初めての方にもわかりやすく解説しています。

ZEBデータベース:BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)事例紹介、建築着工統計調査報告、国交省「非住宅建築物の外皮・設備設計仕様とエネルギー消費性能の実態調査」(2022年度)を組み合わせ、全国のZEB認証物件をZEB区分・用途・延床面積・都道府県別に集計したデータベースです。

インタラクティブ分析:年度、ZEB区分、新築/既存、用途、都道府県の条件で絞り込み、グラフや都道府県別ヒートマップで地域別の普及状況を可視化できます。

ZEB技術の分析:ZEBを実現した建物(ZEBリーディング・オーナー一覧)を用途・延床面積で絞り込み、外皮性能(ペリメータゾーンの年間熱負荷)を示すBPIや、空調・照明の省エネ性能を示すBEI/AC、BEI/Lなどの指標を事例ベースで確認できます。

実績データ分析:国のZEB実証事業の公開データをもとに、設計時の計算値と実際の運用実績を比較できます。

経済性分析ツール(無料会員登録制):初期費用・ランニングコスト・補助金を入力して、投資回収年やLCC(ライフサイクルコスト)を試算できます。

誰がどう使えるか

建物オーナーや自治体施設担当者は、自分の建物や地域のZEB化状況を公的データに基づき客観的に把握できます。設計者は、用途・規模が近い実例のBPIやBEIの水準を参照し、自らの設計目標値の妥当性を確認する材料にできます。

まずはZEBナレッジのトップページから、関心のあるリソースを開いてみてください。


想定読者:建物オーナー、自治体施設担当者、設計者

参照

(いずれも2026年10月時点でウェブサイトを確認)