ZEB(ゼブ/ネット・ゼロ・エネルギー・ビル:省エネと創エネを組み合わせ、使うエネルギーを実質ゼロに近づけた建物)に関心はあるものの、「何から手をつければよいのか」で立ち止まってしまう――建物オーナーや自治体のご担当者から、よくいただく声です。今回は、ZEBづくりの進め方と、計画を支える「パートナー」の選び方を整理します。
まずは「目的」と「現状」を整理する
最初の一歩は、立派な計画書をつくることではありません。何のためにZEBを目指すのか――光熱費の削減か、脱炭素の対外的な説明か、職場の快適性か、停電に強い建物(BCP=事業継続)か――その目的をはっきりさせることです。あわせて、新築か既存改修か、補助金の活用を視野に入れるか、おおよその時期や予算感も整理しておくと、その後の相談がぐっと具体的になります。
計画を支える「ZEBプランナー」という存在
ZEBの設計には専門的な知識が必要ですが、心強い味方がいます。それは「ZEBプランナー」です。ZEBプランナーとは、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に向けて、建築主に対する相談窓口を持ち、設計・コンサルティング等の業務支援を行う事業者として、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に登録・公表された専門家(法人)のことです。
注目したいのは、国の主要なZEB補助事業では、申請にあたってZEBプランナーの関与が求められる場合が多いことです(年度・事業により扱いは異なります)。つまり補助金を活用してZEBを目指すなら、ZEBプランナーという存在は実務面で欠かせないパートナーとなります。
パートナーは「得意分野」で選ぶ
登録されたZEBプランナーはSIIのサイトで一覧が公開されており、各社の得意な用途や実績を確認できます。オフィス、学校、庁舎、病院など、建物の用途によって設計の勘所は変わります。自分の建物に近い実績を持つ相手を選ぶと、計画は進めやすくなります。検討の目安づくりには、ZEBナレッジの用途別データ(「ZEB技術の分析」など)も役立ちます。
相談は「早いほど」効く
ZEBは、建物の器(外皮の断熱)を整えてから設備を選ぶと、投資の効率が高まります。だからこそ、設計が固まる前の企画段階から相談するのが得策です。間取りや設備が決まってからでは、打てる手が限られてしまうこともあります。「うちの建物でも本当にできるのか」――そんな素朴な問いからで構いません。お気軽にご相談ください。
想定読者:建物オーナー・経営層、自治体のZEB・脱炭素ご担当者、設計者
注:補助制度の要件(ZEBプランナーの関与など)は年度・事業ごとに異なります。検討の際は、各実施機関の最新の公募要領を必ずご確認ください。
出典・参考リンク
- 環境省「ZEB PORTAL(ゼブ・ポータル)」 https://www.env.go.jp/earth/zeb/
- 一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)「ZEB実証事業/ZEBプランナー」 https://sii.or.jp/