使い方の説明

ZEB化改修の経済性を計算する画面の使い方を、実際の画面で説明します。画像の番号は、すぐ下の説明の番号と同じです。

1. このツールでわかること

既存の事務所ビルを ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)に改修した場合(ZEB改修)と、標準的な改修(標準改修)をした場合を比べて、次のことを概算します。

  • 改修にかかる費用(更新費用)と補助金額、毎年の省エネ量・省エネ額
  • ZEB改修で多くかかる費用(掛かりまし費用)を、毎年の省エネ額の差で何年で取り戻せるか(実質回収年数)
  • 45年間の累計支出(改修費・15年目と30年目の設備の更新費・光熱費)の比べ
  • 『ZEB』・Nearly ZEB に必要な太陽光発電の容量と、ZEB にするための断熱・設備の目安(ZEBのための指標)

対象は、地域区分が 5〜7地域の事務所と、8地域で延床面積 2,000㎡ 未満の事務所です。会員登録やログインは要りません。入力した数値と計算結果は、サーバーに保存しません。

結果は概算です。検討を進めるときは、ZEB化可能性調査で、より正確な費用と経済性を確かめてください。

2. 用意するもの

次の値を用意してください。面積割合・補助率・太陽光発電の条件などは、分からなければ初めから入っている値(例や平均値)のままでも計算できます。

入力する値調べ方・目安
建物の所在地(都道府県・市区町村)地域区分(建築物省エネ法)と年間日射地域区分は、市区町村から自動で決まります。
延床面積、階数(地上・地下)建物の図面や台帳など。
年間一次エネルギー消費量(GJ/年)1 年分の電気・ガスなどの使用量を、一次エネルギーに換算して合計します。電気は 9.76 MJ/kWh で換算します(例:電気 100,000 kWh → 976 GJ)。
年間光熱費(税込・千円/年)1 年分の電気・ガス・水道などの料金の合計(請求書など)。
予想工期(か月)改修工事の予定の期間。
補助率・補助対象率使う予定の補助金の条件。分からなければ初めの値のまま。

3. 入力する

入力は 6 つの区分に分かれています。上から順に入れてください。各欄の下にも説明があります。

区分 1・2 建物の所在地と規模

入力の区分 1「建物の所在地」と区分 2「建物の規模」。都道府県、市区町村と地域区分の表示、延床面積、面積割合に 1〜4 の番号が付いている。
  1. 都道府県:建物のある都道府県を選びます。選ぶと、市区町村を選べるようになります。
  2. 市区町村:選ぶと、その下に建築物省エネ法の地域区分(例:6地域(温暖地))が出ます。計算できない地域(1〜4地域)のときは、ここに注意が出ます。
  3. 延床面積:入れると、規模(2,000㎡ 未満は中規模、2,000㎡ 以上は大規模)が出ます。
  4. 面積割合:空調・換気・照明を行う面積の、延床面積に対する割合(0〜1)です。分からなければ初めの値(本ツールのデータの平均値)のままで構いません。

区分 3 エネルギー使用量と光熱費

入力の区分 3「エネルギー使用量と光熱費」。年間一次エネルギー消費量、年間光熱費、現状の省エネ状況に 1〜3 の番号が付いている。
  1. 年間一次エネルギー消費量:電気・ガスなどの年間使用量を一次エネルギー(GJ)に換算した合計です。入れると、延床面積あたりの値(MJ/㎡・年)が出ます。5,000 MJ/㎡ 以上は計算できないので、値を確かめてください。
  2. 年間光熱費(税込):電気・ガス・水道などの年間の料金を、税込み・千円単位で入れます。
  3. 現状の省エネ状況:今の建物の省エネ設備の導入状況です。分からなければ「普通」を選びます。

区分 4 工事と補助金

入力の区分 4「工事と補助金」。予想工期、補助率・補助対象率の表、共通費・消費税に 1〜3 の番号が付いている。
  1. 予想工期:工事の予定の月数です。共通費(共通仮設費・現場管理費・一般管理費)の計算に使います。
  2. 補助率・補助対象率:工事ごとに 0〜1 で入れます。補助金額は「ZEB 化のための概算費用 × 補助率 × 補助対象率」で計算します。補助の対象でないものは 0 にします。
  3. 共通費・消費税:補助の対象になるかを選びます。

区分 5 太陽光発電の条件

『ZEB』・Nearly ZEB に必要な太陽光発電の容量を計算するための条件です。年間日射地域区分は市区町村から決まります。パネルの方位角は方角(南・南西…)から選び、必要なら「角度を数字で入力する」で数字を入れます。傾斜角は 0°(水平)〜90°(垂直)を 10° 刻みで選びます。分からなければ初めの値(南・0°)のままで構いません。

太陽光発電の費用と、発電による省エネ額は、経済性の計算には含みません。

区分 6 ご利用について

入力の区分 6「ご利用について」と、計算するボタン。立場・地域・利用目的、計算する、入力を初めの値に戻すに 1〜3 の番号が付いている。
  1. ご利用について:立場・地域(都道府県)・利用目的を選びます(必須)。利用状況の集計と報告のためのものです。計算の内容(入力した数値と計算結果。市区町村は除きます)は暗号化して保存し、お名前・会社名・連絡先・IP アドレスは保存しません。地域には、建物の都道府県が初めに入ります。
  2. 計算する:押すと計算します(次の「4. 計算する」)。
  3. 入力を初めの値に戻す:入力をすべて初めの値に戻します。

4. 計算する

「計算する」を押すと、同じページの下に結果が出て、結果の場所に移ります。

入力に誤りがあると、計算せずに、誤りの文を欄の下と「計算する」の上に出します。

入力に誤りがあるときの画面。欄の下の誤りの文と、計算するボタンの上の誤りのまとめに 1・2 の番号が付いている。
  1. 欄の下の文:誤りのある欄が赤くなり、直し方が出ます。直してから、もう一度「計算する」を押します。
  2. 誤りのまとめ:誤りの数と文の一覧です。文を押すと、その欄に移ります。

入力した値は、ブラウザのこのタブに一時的に残り、再読み込みしても消えません(タブを閉じると消えます)。

5. 結果を見る

結果は「まとめ」「詳細結果」「経年分析」「計算条件」の 4 つのタブに分かれています。

まとめ

結果のまとめのタブ。印刷と CSV のボタン、タブ、数値のカード、説明の文、経年コスト推移グラフに 1〜5 の番号が付いている。
  1. 印刷・PDF で保存/CSV をダウンロード:結果を残します(「6. 結果を残す」)。
  2. タブ:押すと、詳細結果・経年分析・計算条件に切り替わります。
  3. 数値のカード:実質回収年数、ZEBの掛かりまし費用、掛かりまし省エネ額、45年後の累計支出の差です。実質回収年数は、一般的な空調機の使用期間(15年程度)と比べて「目安の15年より短い」などと出ます。
  4. 説明の文:カードの数値を言葉で説明します。
  5. 経年コスト推移グラフ:45年間の累計支出の推移です(くわしくは経年分析)。

その下に、経済性の表、導入費と一次エネルギー消費量のグラフ、『ZEB』・Nearly ZEB に必要な太陽光発電容量、ZEBのための指標が続きます。

経年分析

結果の経年分析のタブ。経年コスト推移グラフと、累積コスト差額の推移のグラフに 1・2 の番号が付いている。
  1. 経年コスト推移グラフ:標準改修と ZEB改修の累計支出(改修費・15年目と30年目の更新費・光熱費)です。線が下にある方が、その年までの支出が少なくなります。
  2. 累積コスト差額の推移:標準改修の累計 − ZEB改修の累計です。0 より上(青)は ZEB改修が有利、下(赤)は標準改修が有利です。線が 0 を上に越えた年から後は、ZEB改修の累計支出の方が少なくなります。

グラフにマウスを合わせる(スマートフォンでは触れる)と、その年の値が出ます。グラフの下の「グラフの値を表で見る」を開くと、値を表で見られます。

詳細結果・計算条件

詳細結果には、経済性分析の内訳(設計費・建築工事・機械工事・電気工事)、標準入力法上の一次エネルギー消費量、BEI、設計費の内訳があります。計算条件には、入力した値と、市区町村・延床面積から決まった地域区分・年間日射地域区分・規模があります。項目の意味は Q&A をご覧ください。

結果を出したあとに入力を変えると、結果が薄くなり「入力が変わりました」と出ます。「今の入力で計算し直す」を押すと、計算し直します。

6. 結果を残す(PDF・CSV)

計算結果は、あとから開き直すことはできません。残すときは、結果の上のボタンを使ってください。

印刷・PDF で保存

結果だけを A4 縦の帳票の形で印刷します(入力欄やページのヘッダーは出ません)。PDF にするときは、印刷の画面で、プリンターの代わりに「PDF に保存」(ブラウザによっては「PDF として保存」など)を選びます。

1 ページ目には、題名・計算日時・まとめ(数値のカード、説明の文、経年コスト推移グラフ)が入ります。そのあとに、まとめの残り、詳細結果、経年分析、計算条件が続きます。

印刷した PDF の 1 ページ目。題名、計算日時、数値のカード、説明の文、経年コスト推移グラフが入っている。

ブラウザのメニューの「印刷」や Ctrl+P(Mac は ⌘+P)で印刷しても、結果が出ていれば同じ形になります。

CSV をダウンロード

全部のタブの表を、画面と同じ文字で 1 つのファイルにします。Excel で開けます。

7. 太陽光発電の発電量だけを計算する

太陽光発電の発電量の計算のページでは、設置場所とパネルの向きから、1kW あたりの年間発電量と月別の発電量を計算します(ZEB化改修の経済性は計算しません)。設置場所は「市区町村から決める」か、地域区分が分かっていれば「地域区分を直接選ぶ」を選びます。パネルの向きと設置方法は、ZEB 計算の区分 5 と同じです。

太陽光発電の発電量の計算の結果。年間発電量のカードと、容量からの見積もりに 1・2 の番号が付いている。
  1. 年間発電量のカード:1kW あたりの年間発電量と、一次エネルギーに換算した値です。
  2. 容量からの見積もり:設置する容量(kW)を入れると、年間発電量の目安が出ます。

その下に、月別の発電量のグラフと表、計算条件が続きます。

8. うまくいかないとき

「…データが少ないため、計算できません。」と出る
対象は、地域区分が 5〜7地域の事務所と、8地域で延床面積 2,000㎡ 未満の事務所です。それ以外は計算できません。
「画面の有効期限が切れました」と出る
ページを開いたまま長い時間がたつと出ます。ページを再読み込みしてから、もう一度「計算する」を押してください。入力した値は残ります。
「短い時間に計算が続いたため…」と出る
1 分ほど待ってから、もう一度お試しください。
太陽光発電容量が出ない
地域区分と年間日射地域区分の組み合わせによっては、気象データがなく計算できません(例:8地域で A2)。経済性の計算には影響しません。
印刷すると入力欄まで出る
計算の前に印刷すると、ページがそのまま印刷されます。「計算する」で結果を出してから、「印刷・PDF で保存」を押してください。
そのほかのお問い合わせ
zeb.calcu@zeb.co.jp(担当:山口)

9. 免責事項

本Webツール(以下、「本ツール」といいます)をご利用いただくにあたり、以下の免責事項を必ずお読みください。本ツールをご利用された場合、本免責事項に同意いただいたものとみなします。

参考情報としての提供

本Webツールは、既存建築物のZEB化に伴う経済性を簡易的にシミュレーションする目的で提供されるものであり、試算結果は参考情報です。実際の投資判断や設計方針の決定は、専門家の助言や詳細な調査・検討に基づき行ってください。

結果の正確性・完全性の保証の否認

本ツールが提供するシミュレーション結果や各種数値、試算結果について、その正確性・完全性を保証するものではありません。建物の実際の構造、設備仕様、地域特性、利用状況、法規制などにより、試算結果と実際の結果は大きく異なる可能性があります。

責任の限定

本ツールの利用に起因して生じた損害(直接損害、間接損害、逸失利益、その他一切の損害)に関して、開発者・運営者は一切の責任を負いかねます。利用者は、本ツールを利用することにより生じるいかなる不利益に対しても、自己の責任と費用負担において対応するものとします。

外部情報・他社サービスとの連携について

本ツールでは、シミュレーションを行う上で、一般に公開されている統計情報やエネルギー料金情報、その他外部のデータ・サービスを参照する場合があります。これら外部情報・サービスの内容の正確性や継続提供は保証されません。また、外部情報・サービスに起因する障害やトラブル等に関して、開発者・運営者は一切の責任を負わないものとします。

法令遵守と必要な手続き

建物の改修やエネルギー設備の導入にあたっては、建築基準法や消防法、各種エネルギー関連法令、地方自治体の条例など、適用される法令・規則に従った手続き・確認が必要となります。本ツールの試算結果をもって、これらの法的手続きが省略または免除されるわけではありません。利用者は必ず関係当局への確認・申請を行ってください。

運営方針および内容の変更

本ツールの内容や提供するサービスは、予告なく変更・中止する場合があります。開発者・運営者は、利用者に対してその責任を一切負わないものとします。また、本ツールの動作環境および仕様は、予告なしに変更される場合があります。

免責事項の変更

本ツールの免責事項は、必要に応じて予告なく改訂される場合があります。改訂後の免責事項は、本ツール上に掲載した時点から効力を生じるものとします。

内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「スマートエネルギーマネジメントシステムの構築(JPJ012207)」(研究推進法人:JST)(以後、本研究)を、東京大学生産技術研究所エネルギーシステムインテグレーション社会連携研究部門の岩船研究室が実施しています。東京大学生産技術研究所より、弊社が「ZEB推進のための支援ツールの開発」の外注を受け、本ツールを公開しています。

ZEB株式会社では、ZEBに関する様々な情報提供をしています。ぜひホームページ(ZEB株式会社 | Beyond Zero Emission)もご確認ください。